SNSで炎上しやすいコンプライアンス違反の教育
SNS社員研修が必要な理由
SNS社員研修が求められる理由は、社員のネットリテラシー向上を図るためです。SNSの普及に伴って、個人の不適切投稿が炎上したり、大きなトラブルになったりするケースも増加しています。しかし、社員が自社の機密情報や、リリース前情報などを個人アカウントに投稿した場合、社の信用問題に関わる可能性もあるでしょう。
そうしたリスクを抑えるためには、社員のネットリテラシーを高め、炎上の予防に努める必要があります。社員研修を通して、炎上のリスクをしっかり覚えてもらいましょう。
SNS社員研修を実施する際に決めるべきこと
SNS社員研修は、ただ実施すればよいわけではありません。実施する前に、いくつか決めておくべきことがあります。
対象者
まず決めておきたいのは研修の対象者です。SNS社員研修は、基本的に全社規模で実施するべきですが、研修を受けてもらう社員に優先度を付け、重要な役職・立場の社員から実施することが求められます。
中でもZ世代はSNSに対する抵抗が少なく、個人を特定できる情報も普通に書き込んでしまう傾向があります。また、家族や知人・友人へメッセージを送る感覚で投稿するケースも見られるため、優先的にSNS社員研修を受けてもらうべきでしょう。
ただし、Z世代以外の年齢層もSNSに不適切な投稿をするリスクがあります。最終的には特定の世代に限らず、社員全員に研修を受けてもらうことが望ましいといえます。
研修の目的とゴール
SNS社員研修を実施するにあたって、目的とゴールも定める必要があります。目的がなければ社員のモチベーションが上がらず、研修に対する意識が低くなってしまいます。なぜ受ける必要があるのかと、疑問を抱かれてしまいかねません。
同様にゴールを定めなければ、研修の全体像がぼやけてしまいます。研修を通じて、社員のネットリテラシーをどこまで高めるか、どのような意識を持ってもらいたいのかなど、着地点を明確にしておきましょう。
SNS社員研修の実施方法
SNS研修を実施する方法は、大きく分けて以下の4つがあります。
集合研修
集合研修は、社内の会議室や外部の施設・スペースを使い、社員と講師が対面でやり取りできるのが特徴。また、社員同士の直接やり取りも可能なので、グループディスカッションやミーティング形式の研修を実現できます。
リモート研修
インターネット回線を通じて実施するリモート研修は、社員が好きな場所で研修を受けられるメリットがあります。研修を実施するスペースも不要で、会議室などを借りる手間もかかりません。
eラーニング
eラーニングは、社員に自分のペースで学んでもらえるメリットがあります。教材の準備が必要ですが、低コストで実施・運用できるのも特徴のひとつです。
通信教育
通信教育は、多くの従業員に広く研修を提供できるのがメリット。他の通信教育も合わせ、福利厚生の一環として取り入れる手段も考えられます。
SNS社員研修の企業の課題
SNS社員研修を実施するにあたって、企業側にも解決すべき課題があります。
自分事として認識できていない
SNSの炎上はもはや日常茶飯といっても過言ではありません。しかし、SNSでの炎上を自分事として認識できず、自社には無関係と捉えているケースも見られます。もし自分事と捉えずに研修を実施すると、社員に危機感を持ってもらえず、モヤモヤが残ったまま研修を終えてしまう可能性があるでしょう。
知識のある社員が社内にいない
また、自社にネットリテラシー教育に長けた社員がいないと、研修自体の実施が難しくなります。SNS社員研修を実施するために、まず人材育成から始めなくてはいけません。育成にかかる時間・コストを考えると、研修を外部委託したほうがよいといえます。
SNS社員研修を専門の会社に依頼する方法もある
自社でSNS社員研修が難しい場合、リテラシー教育を手がける専門会社に依頼するのもおすすめです。自社で人材育成する必要がなく、炎上事案に対するリスクを軽減できます。
SNSにおける企業のコンプライアンスとは
コンプライアンスとは「法令順守」という意味であり、広義になると「社会常識に合った指針を持つ」といったニュアンスを表します。法律に違反していなければコンプライアンスを守っていることになるわけではなく、「法律に則して経営できる体制をつくる」のがポイント。たとえ法律に違反していなくても、管理体制に問題があればコンプライアンスは守られていないと解釈されます。
コンプライアンスという言葉を把握しにくいのは、その概念が「社会常識」という曖昧なものを指針にしているからです。社会常識は時代とともに移ろうものであり、例えばジェンダーや人種問題、ハラスメントなど、常識的な捉え方は変化します。多様性を重んじる現代において、企業は広告の言動に人種差別や女性蔑視など、人々を不快にする内容が含まれていないか注意する必要があるでしょう。
コンプライアンス違反企業の倒産動向調査
新型コロナウイルスの影響により、2020年度のコンプライアンス違反企業の倒産件数は減少しました。2020年のコンプラ違反倒産件数は182件であり、前年よりも43件少ない結果になりました。ただし、コンプライアンス違反をして倒産する企業は無くならず、事業の存続のためにコンプライアンス違反をしてしまうケースが多いです。
違反内容としては「粉飾」が最も多く、決算数値の偽造が57件ありました。事業外での不祥事や不払い、資金流出や横領なども見逃せませんが、増加傾向にある雇用に注目が集まっています。
労基法等違反企業の公表を厚生労働省が始め、問題が表面化しつつあるでしょう。加えて、特にコンプラ違反が多いのがサービス業。報酬を請求していなかったり、預り金を不正に流出したりなどが発覚しています。
参照元:(pdf)株式会社帝国データバンク/特別企画: コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2020 年度)
(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210403.pdf)
ステルスマーケティング規制とは
消費者庁は「事業者による商品・サービスの表示であることを消費者が判別するのが困難であるもの」を景表法の告示の不当表示に追加すると発表しました。追加の時期は2023年夏ごろを目処にしており、今後運用基準を整備し、どのような広告表示がステマに該当するのか示される予定です。
違反した場合、企業には再発防止の借地命令が下され、広告を依頼した事業者名が公表されます。上記の命令に従わない場合、2年以下の懲役または300万円以下の罰金または併科が課されます。場合によっては両罰規定により法人も最大3億円が科される可能性があり、投稿した側は処分されません。
なお、上記の処分にはハードルが下げられる可能性があります。「調査過程で優良性の評価が難しい事案でも、ステマであれば措置命令できる」のが理由であり、違反構成が分かりやすいだけに制裁効果が大きいのです。
ステマの中には「なりすまし」や「利益提供秘匿型」などもあるため、そのような手法にも対応できるよう、具体的な問題事例を「運用基準」として示すと発表しています。ステマ規制は「表現の自由」と対立する規制なので、規制する力が強すぎると「広告」すること自体が悪として捉えられかねないリスクがあります。
運用基準にはアウトラインが示されていないのも問題であり、規制範囲が不明確です。ステマ規制が抽象的規制を扱っているため、ガイドラインが抽象的になってしまうのも仕方ありませんが、個別事案ごとに判断の余地を残しておくことが求められています。
参照元:日本経済新聞/「ステマ」法規制へ 消費者庁、広告主を行政処分
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE260PX0W2A221C2000000/)
SNSで炎上しやすいコンプライアンス違反の例
バイトテロ
バイトテロと呼ばれる不適切行為は炎上の火種として知られています。従業員がゴミ箱に捨てた食材を調理したり、お店の商品を食べたりなど、迷惑行為を動画で撮影し、SNSに投稿する行為を指します。著しくブランドのイメージが悪くなり、風評被害も受けるでしょう。「不衛生」「食材の管理がきちんとできていない」など、一度良くないイメージが沁みつくと来客数が減ります。悪気がなかったとしても一度の過失が大きな損失に繋がりかねないため、未然に防ぎたい投稿です。
画像に機密情報を含んだ投稿
従業員の投稿画像に社外秘の機密情報が含まれていて炎上することが良くあります。未発表のものを発表してしまうと、企業にとってブランドイメージが傷つけられるだけでなく、信頼において大きなダメージを負うタイプの投稿です。この場合、機密情報は不正競争防止法で守られるべき情報なので、企業は被害者となります。
有名人のプライバシーを侵害する投稿
有名人のプライバシーを侵害する投稿も、SNSで炎上しやすいコンプライアンス違反の一つ。例えば「芸能人が店舗に来店した」と投稿するのはプライバシーの侵害です。いつどこに行ったかというのはプライベートな情報であり、従業員には守秘義務があります。このような投稿内容は、従業員だけでなく、従業員の家族もしないよう気を付けなくてはなりません。住所を特定されるほか、個人情報が流出した際の被害が有名人は特に大きいので、安易にSNSに投稿するのは避けましょう。
内部告発
SNSを利用して内部告発するケースがあります。わざわざ告発専用のアカウントを作り、「商品を適切に扱っていない」「人手不足で一人当たりの作業量が膨大」などの内部事情を漏洩。写真とともに投稿する場合もあり、企業が批判される要因になります。
ハラスメント
ハラスメントに関する内容の投稿も、SNSで炎上しやすいコンプライアンス違反です。例えば社内でセクハラが発生しているケースだと、SNS上に加害者の実名や所属している会社名、実態などを記載して注目を集めるといった具合。話題になりメディアその他で取り上げられると、事実確認や公式コメントの発表など企業は対応に追われ、ブランドイメージが低下します。
従業員自身の法令違反
広告目的で運用しているアカウントや広報担当者のSNSの発信内容が、法令や社会常識に違反しているケースがあります。このような投稿も炎上しやすく、特に顧客や関係者に対する誹謗中傷、著作権侵害、景品表示法違反は刑罰や行政処分の対象になるため要注意です。
新人社員が起こしやすいSNSのコンプライアンス違反
新卒を中心に新人社員の多くは、学生の頃からSNSを日常的に利用している世代です。そのためSNSを使いこなしている印象を持っている方も多いでしょう。しかしネットリテラシーに関しては不十分な場合も多いため、コンプライアンス違反がないように社内での教育が必要です。
公私混同させない
「出勤中に〇〇駅でトラブルがあった」「会社におもしろい上司がいる」「業績が好調だから、今期は決算賞与が出るかも」などのSNS上で見かける投稿は、発信している本人が悪意なく、日常のひとつの出来事と捉えての発信です。しかし後に会社が特定される、社内の情報漏洩に該当する事態になることもあります。
問題のある投稿をしてしまう原因は、「このくらいなら会社を特定されないだろう」「あくまでも自分の考えや気持ちについて投稿したものだし、問題ないだろう」と安易に考えてしまうことです。そのため「公私混同したSNS利用は禁止」とだけ教えても、発信OKとNGの境界線がわからない社員が多いでしょう。SNSでの炎上リスクを抑えるには、具体的かつ詳細なルール設定が重要です。
新卒・若い社員はSNSでの発言をどう認識しているか
SNSは人々の生活の一部になっており、新人社員においても「一日のうちにSNSを利用する時間が必ずある」という方がほとんどでしょう。SNSはイレギュラーな体験や感情を周囲に共有する手段ではなく、日常のちょっとした気づきを簡単に共有できるツールなのです。
そのため「今日はこんな業務で忙しかった」「来月の社内イベントが楽しみ」と社内の情報を当たり前に発信する可能性があります。プロフィール欄に「○○社勤務」と記載する人もいます。
SNSがオープンなツールであることは理解していても、「まさかこんなに些細な情報が炎上の原因になるとは思わなかった」というケースが多いのです。
鍵アカウントでの発言にも注意が必要
よく「鍵アカウントなら発信内容が流出する心配がない」と考える方がいますが、残念ながら鍵アカウントでも情報流出のリスクがあります。鍵アカウントとは、許可した特定の人だけが閲覧できるように公開範囲が限定されたもの。「鍵アカウント=安全」ではありません。SNSのシステムエラーや知人になりすましたアカウントによって、発信内容を拡散されてしまう可能性があります。
たとえば鍵アカウントで「職場に芸能人が来た」と投稿したとします。鍵アカウントのため、情報を閲覧できる人は限られます。しかし閲覧した人が「知り合いが働いてる〇〇というお店に、芸能人が来たんだって」と誰でも閲覧可能なアカウントで投稿することは充分に有り得ます。「拡散させてやろう」という悪気がなくても、好奇心や興味から情報は流出してしまう可能性があるのです。
画像・ショートムービーの投稿に潜むリスク
画像やショートムービーの炎上ニュースについて、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
いわゆるバイトテロ動画は、もともと「問題のある動画を拡散して会社にダメージを与えよう」と考えて発信しているものではありません。「仲間内だけで共有して笑おう」「もし流出しても、どこの店舗や会社かまではわからないだろう」と安易に考えているケースがほとんどです。
しかしその画像やショートムービーを閲覧した人が拡散されて炎上すると、社会的な問題に発展する可能性があることを忘れてはなりません。
ストーリー機能は安全ではない
「ストーリー機能を使えばすぐに消えるから、拡散されないだろう」という考えは危険です。
たった数分・数時間の公開でも閲覧した人が保存できるため、公開が終わったあとも拡散されるリスクがあります。特定の人だけが閲覧できる・数時間で投稿内容が消えるというストーリー機能から、情報が流出して炎上した事例は数多くあるのです。また動画を閲覧・保存した人が、別のSNSで転載してさらに拡散される危険もあります。
社員教育で指導すべきSNS利用の注意点
個人の見解・主張が会社全体の意見になる危険性がある
「社員の誰もが会社の看板となり得る」ことを忘れてないけません。たとえ社員自身が「限られたツールと環境で、個人的な意見として発信している」と考えていても、閲覧する他人からすれば「○○社の社員が発信した情報」であり、会社全体の意見と捉えられてしまいます。
なお社員が悪気なく投稿した内容でも、炎上リスクはあります。たとえば自社の商品を社員個人が気に入って、SNS上で称賛したとします。問題ない投稿のようにも感じますが、自社製品の場合は個人が本当に気に入っているのか売り上げのための戦略なのか、他人からは区別がつきません。そのため「ステルスマーケティングではないか」と捉えられる可能性があります。
業務に関する情報は投稿しない
社員が業務上で知り得た情報には、機密情報やインサイダー情報が含まれることも。そうとは気づかずに情報を発信して、情報漏洩や炎上に発展してしまうケースがあります。
「研修動画を投稿したら、会社名が映り込んでしまっていた」「業績について何気なく発信したら、インサイダー情報に該当してしまった」などのケースがあるため、リスクを周知徹底して、業務に関する情報を投稿はしないように呼びかける必要があります。
公開範囲を設定する
たとえばFacebookでは公開範囲を細かく設定できます。他のSNSでも鍵アカウントにすると公開範囲の制限が可能です。しかし「公開範囲を限定して特定の人しか閲覧できない=情報流出や拡散のリスクはない」と考えるのは危険です。閲覧を許可された人には情報が伝わり、その情報をコピー・拡散されてしまう可能性もあります。
SNS利用のガイドライン・ポリシーを理解する
SNSでの炎上対策として、SNS利用のガイドライン・ポリシーを定めている会社も多いでしょう。しかし社内で定期的な研修を実施して、定めた内容を周知しているでしょうか。SNS利用のガイドライン・ポリシーを社員一人ひとりに理解してもらう工夫が大切です。
また「公私混同しない」「社内情報を発信しない」といった漠然とした内容よりも、「所属企業を記載しない」「会社の戦略や業績に関する投稿は一切しない」といった具体的な禁止事項を明記すると良いでしょう。
企業が社員のSNS利用に関して制限できないこと
企業は、就業規則などでSNS利用に関する規定を設けることは可能です。しかし、社員のSNS利用を厳しく制限することはできません。
SNSの利用を禁止する
社員個人に対して、SNSの利用そのものを禁止することは不可能です。SNSの利用を禁止すると、企業が社員のプライベートに踏み込みすぎていると考えられます。
勤務先の開示を禁止する
勤務先の情報の投稿・開示を禁止することもできません。ただ、社員が注目を集めたり、プライバシーが暴露されたりする可能性があるため、注意を促したほうがよいでしょう。
実名でのSNS利用を禁止する
SNSを実名で利用するかどうか、決められるのは社員個人です。企業側が勝手に禁止・制約を設けることはできません。しかし、個人が特定されたり、住所などの情報が漏えいしたりする危険がある点は伝えておくべきでしょう。
政治的な投稿を禁止する
政治的な投稿は炎上するリスクが高いですが、社員に対して投稿を禁じることは不可能です。ただ、企業・組織の意見と混同されないように、注意を促すことはできます。
アカウントの上司に見せるように強制する
いかなる立場であっても、上司が部下に対して個人アカウントを見せるよう強制することはできません。場合によっては、パワハラと捉えられるおそれがあります。
企業が社員のSNS利用に関して制限できること
一方、企業は社員に対して職場の端末・ネット環境の利用を禁ずることは可能です。例えば、以下のような行為を禁止できます。
- 会社が貸与したスマホ・パソコンで個人のSNSアカウントを利用する
- 会社のネット回線で個人のSNSアカウントに投稿する
- 職場のメールアドレスを利用して個人用SNSアカウントを開設する
こうした行為は禁止することが可能です。就業規則やSNSガイドラインを整備し、禁止事項を定めておきましょう。
社員の個人SNSをモニタリングできる?
上司が社員個人のSNSアカウントをモニタリングすることは可能です。ただし、投稿が広く公開されているケースに限ります。非公開アカウント(鍵アカなど)の場合、モニタリングしようとしてトラブルになるおそれもあります。社内で議論したうえで慎重に判断するべきです。
入社前・退職した社員のSNSの扱い
入社前社員や、退職した社員のSNSについても、自社のSNSガイドラインに従って注意・指導する必要があります。情報漏えいはもちろん、不適切投稿が炎上し、自社に飛び火する危険があるため、誓約書を提出させるなどの対策が求められます。
コンプライアンス違反で炎上した際のリスク
刑事罰
SNSの投稿や法令違反が原因で企業がダメージを受けた場合、刑事事件として扱われるケースがあります。損害が大きいと企業犯罪に該当することもあり、従業員個人や企業に責任が発生します。企業に法的責任がない場合でも道義的責任は問われるでしょう。
行政罰・行政処分
行政手続きや規制法に違反すると行政指導や行政処分などの対象になり、行政罰を受ける場合があります。刑事事件の次に影響の大きい法令違反であり、企業だけでなく担当者個人にも課されます。業界を規制する法令には、建設業法や食品衛生法、労働派遣法、金融商品取引法などがあり、独占禁止法や景品表示法、特定商取引法なども一例です。
損害賠償
コンプライアンス違反には損害賠償のリスクもあり、民事訴訟に巻き込まれるケースも珍しくありません。損害賠償は被害者から請求されるものですが、被害の範囲が広いと消費者から請求されるケースがあります。役員や企業の不注意によるコンプライアンス違反の場合、損失を被った株主から請求されることもあるでしょう。
風評損害
コンプライアンス違反で炎上すると、風評被害を受ける可能性があります。取引先や消費者の評判が悪くなると業績も悪化しかねません。せっかく信頼を得て獲得した契約が破棄されたり、注文が減ったりなど、経営を揺るがす危険性があるでしょう。
情報漏洩・個人情報流出
情報漏洩や個人情報の流出は賠償責任を問われる可能性が高いです。企業の営業機密ほか重要な情報を漏らしてしまうと大きな損害に繋がるため、情報の取り扱いには注意が必要です。
使用者責任
民法715条において、事業のために従業員を使用する者は、第三者に加えた損害について賠償責任を負うことが規定されています。雇用主には使用者責任があり、従業員が個人的に法令違反をした場合でも、責任を問われる可能性があるのです。従業員のSNSの扱いが不適切で被害が生じた際、企業に損害賠償の請求がくるリスクがあるのだと知っておきましょう。
参照元:e-Gov法令検索/民法第七百十五条(使用者等の責任)
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)
コンプライアンス違反の防止・対策
社員研修
社員に対しSNSの利用方法を研修するのには、コンプライアンス違反を防止する効果があります。社員にSNSを利用するリスクを説明し、法令違反や社会規範、道徳などを理解してもらいましょう。コンプライアンス研修は全員に参加してもらうのが大切です。部署向けや新人社員向けなど、対象者を分けてプログラムを組むと良いでしょう。
コンプライアンス体制・規定の整備
コンプライアンス違反が起こらないように、企業のコンプライアンス体制や規定を整備しておきましょう。コンプライアンス対策の具体的な対策を立てたり、部署や人員の体制を見直したり、契約書を用意したりするのがおすすめです。不安であれば弁護士にリーガルチェックやアドバイスをしてもらうと良いでしょう。
SNSガイドラインの規定
コンプライアンス違反を未然に防ぐに当たり、SNSを適切に使用することが欠かせません。SNSガイドラインを設け、社員にSNSの使用方法を周知するのは有効な対策です。なおガイドラインには企業公式SNSと従業員個人のSNS、 両方の注意点やリスクを記載しておくのがポイントです。投稿ポリシーを策定しておけば、使用して良い表現やダメな表現、会社の方針などを統一することもできるでしょう。
コンプライアンス研修で社員へ教育すべきポイント
SNSリテラシーを高める研修
コンプライアンス研修を行っている企業は多くありますが、SNSリテラシーに注力した研修を実施できていないかもしれません。コンプライアンス研修のなかで「SNSの投稿内容には注意するように」と伝えるだけではほとんど意味がないのです。
SNS利用におけるガイドラインやポリシーを周知して「個人利用でも会社に大きな損害を与えることがある」と理解してもらうことが大切です。
事例をもとにしたケーススタディ
SNSにおける炎上リスクや情報漏洩のリスクを伝える際には、事例をもとにしたケーススタディが効果的です。「何気なく投稿した内容でも、実際に大問題へと発展した事例があった」と分かれば、他人事ではないのだと、より危機感が生まれます。気付かぬうちに誰でも投稿には炎上リスクがあると理解してもらいましょう。
グループワークを取り入れる
コンプライアンス研修を座学で行ったあとは、グループワークを実施するのがおすすめです。座学で学んだ知識をすぐにグループワークでアウトプットすることが大切です。
またグループワークでは他者の発言から気づきを得ることで、自分自身の理解をより深めて実践に生かしやすくなります。




